だから人の生は面白いんだ
夏が終わって、秋に成ってく感じがたまらなく好きだ。暑さからの解放。秋の風が好き。冬から春になってくあの温もりも好きだけれど、秋の風に勝る風はない。夏のジワジワ暑いのも冬の刺す寒さも春のポカポカも好きなのだ。しかし移ろっていくうれしさは、この季節をおいて他にない。
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双曲線のこぶと直線が近づいていく。交点にできた淀みに解ができる。交われば交わるほど解は深くなってく。
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わたし達はそんな季節に、そんな風に出会った。移ろってくうれしさを、わたし達は体感する。交われば交わるだけ、深くなる。知ればしるほどに愛おしくなる。
出逢って、どれだけのことが変わったろう。きみはぼくの喋り様が憑ったみたい。ぼくだって何らかの影響を受けているだろう。やりとりに使う絵文字とか、語尾の一言とか。たぶん互いに互いを気づかないふりをして、このまま過ごしてくだろう。
あなたが居ることでわたしはわたしでいられるような気さえする。あなたの存在が、存在感が、わたしを品行方正にする。ここまでいろんなことにこうして打ち込めたのは間違いなく、あなたが在ったからだ。
きみの言葉でそう聞いたわけではないけれど、きみにとってのぼくもそうであったなら、こんなにうれしいことはない。
もしそうなら、これからだってきっとうまくやっていけるだろう。
そうして切磋琢磨し合える関係ならば、どんな困難だって、苦しみでも難でもなくなるだろう。そうして刺激し合える関係ならば、わたし達はずっと一緒にいるべきだと思う。わたしは、一人で生きられる。あなたも、ひとりで生きられる。だけど、一緒に生きるのならば、あなた以外にいないだろう。
この季節に出逢い、交わる。それは、まるで必然であったかのように今ここに在る。こうしてきみを感じ、ぼくを感じさせることが、ぼくときみの幸せである。それはふたりが生きているあいだ、関係を持ち続けるのなら、ずっと続くのだろう。だからわたしは快活として生きられるし、それはきっとあなたも同じ。
夏と秋が、交わってく。双曲線と直線が、交わってく。
だから人の生は面白いんだとぼくは思う。この辺に永遠はありそう。
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