正しいということ

「何のためにご本を読むの?」

「悪い人に悪さされないためよ」

「ふーん。本を読むといじわるされないの?」

「そうねぇ。何が正しいことなのかわからないと、何が悪いことなのか、わからないでしょう? 自分が正しいって言うためにも、何が正しいのか知ってた方がいいのよ」

「いじめられた時とか?」

「そうねぇ。世の中には騙そうとしないで騙してしまう人もいるのよ。何が正しいのか、っていうのをきちんと持ってることは大事なことよ」

「言い返すため?」

「うーん。自分が正しいと思えたら、少しは悩まなくて済むし、相手を説得することもできるのよ」

「どうやったら僕が正しいって言えるの?」

「それは難しいわね。いつも自分が正しいとは限らないのよ」

「ふーん」

「そういう時も正しいことを知る勇気があれば、正しい考えを身につけることができるのよ」

「ママも間違うことがあるの?」

「パパもママも間違うのよ。人間は間違えるのよ。でも正しいことを知ろうと思えば、正しい方に行けるでしょう? 本にはそれが書いてあるの。それは一生あなたを助けるのよ」

「本を読むよ。騙されないように」

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