おともだち

 幼稚園から帰ってくる途中、子供に訊かれたこと。
「おともだちっていたほうがいいの?」
「うーん、そだねー。いたほうが、寂しくないかもね。でも、いたからどうってことでもないんだよ。一人でも楽しめて、お友達とも楽しめるのが一番いいんだよ」
「あたしおともだちいるよ!」
「そうだねぇ。楽しいねぇ」
「ひとりでも遊べるよ」
「そ、だねぇ。寂しくない?」
「さみしくないよ! ひとりも楽しいし、おともだちと遊ぶのも楽しいの」
「一人が怖くないってのは、良いことだ」
「おともだちはね、みんなあたしとは違うの。でも楽しいんだよ」
「ふーん、どう違うの?」
「あたしは黄色が好きなんだけど、おともだちはピンクが好きなの」
「他には?」
「あたしはりんごが好きだけど、おともだちはイチゴが好きなの」
「そう。違うの、いや?」
「そんなことないよ。あたしのにできるからいいよ」
「取り合いにならないよね。一人で遊ぶときは何してるの?」
「うーんとね、あたしのしたいことするの! おともだちにはみせないんだよ」
「そう。お父さんにも見せてくれないの?」
「お父さんはいいよ!」
「なんでお友達には見せないの?」
「じぶんだけでつくりたいから!」
「そう。完成したら、見せてあげてね」
「うんっ」
「きっと、喜んでくれるよ」

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